周囲はあたりまえのように結婚して、子供を産んで、子育てをしているのに。
こんなに悩んでいるのは自分だけ?
「子供を産むかどうか」という決断は、人生の中でも特に大きなテーマであり、しかも時間的な制約(年齢や体力のリミット)があるからこそ、焦りや不安が強くなるのは自然なことです。
「子供を産むべきかどうか」に正解はありません。
それは、自分自身とパートナーの価値観、人生設計、経済状況、そして心の準備を考慮して決めるべきことです。
そもそもなぜ迷うのか
現代の日本では「子供を持たない人」の割合は増加しており、2020年時点で女性の約4人に1人が生涯に子供を持たないとされています。
女性の社会進出が進む中、独身でキャリアを築く人や、夫婦二人暮らしを選ぶ家庭が増えています。
ひと昔は結婚、出産、子育てが当たり前とされていて、なんとなく決められたルートを歩めばよかったのですが、今では人生の選択肢が増えた分、かえって迷いが生まれます。
子どもは自分で生まれてくることを選ぶことはできませんし、生まれたかったかどうかも、生まれてみないとわからないものです。
自分が子どもを産んでよかったと思えるか、それとも産まなければよかったと思うかも、実際に産んでみないことにはわかりません。
自分とは別の生命を誕生させるという大きな責任を伴う行為に対し、「自分が欲しいから産むなんてただのエゴなんじゃないか?」と考えたり、経済面で子供を満足させてあげられないかもしれない、などと責任感が強い人ほど悩んでしまうものではないでしょうか?
筆者もまだ結論が出せず悩んでいる最中ですが、ひとまず子供視点ではなく、「親になる」という自分の立場から考えてみました。
子供を産むことのメリット
子供を産むことのメリットでは、主に5点あげられます。
①家族の絆が深まる
関わり方や環境によって異なりますが、子供を育てるという大きな使命を共有することで、夫婦や家族が自然と協力し合う機会が増えるものです。
初めての言葉や運動会、進学など、子供を通じて得られる体験は家族の思い出となり、絆を深めてくれます。
ときにはぶつかり合うこともあるかもしれませんが、困難を乗り越えることで生まれる強い絆があります。
②子供と触れ合える喜びと生きがい
日本財団の調査によれば、子供を望む理由として最も多いのは、「子育ての喜びや楽しみを経験したいから」ということです。https://www.nippon-foundation.or.jp/wp-content/uploads/2024/11/new_pr_20241129_01.pdf
子供は唯一無二の特別な存在です。
初めて立った日や言葉を話した瞬間など、何物にも代えられない貴重な体験は、子供を持つことで得られるものです。
子供のために頑張ろうと思えることで、仕事や生活に張り合いが生まれます。
③人とのつながりが増える
保育園や幼稚園、学校を通じて同年代の子を持つ親と知り合い、子育ての悩みや情報を共有し、支え合える関係を築くことができます。
また、公園や児童館、地域イベントを通じて近所の人と交流が増えます。
祖父母や親戚も子育てに関わることで、世代を超えた交流が活発になるでしょう。
子供を通じて学校・地域・医療など、今まで関わらなかった社会の仕組みに触れられます。
④親として成長できる
子供から「パパ」「ママ」と呼ばれることで、自分が親だとして実感させてくれます。
子供の視点で物事を考えることで、多くのことを学び、人生観が大きく変わることがあります。
子供を大人になるまで育て上げることは、自分自身の成長にもつながり、達成感や満足感を得られるものです。
親から次の世代へつないで生きた証を残せた、という達成感もあります。
⑤将来への希望と支えあい
子供が社会に出て働くようになり、その活躍を見守ることでの楽しさ、ワクワク感があります。
子供に面倒をみてもらう前提はいけませんが、子供の存在自体が大きな心の支えになります。
将来的に子供が家業を継いだり、孫の誕生が老後の支えになるかもしれません。
子供を産むことのデメリット
一方で、子供を生むことのデメリットについて5点お伝えします。
①逆に夫婦関係が悪化する
一方に育児の負担が偏ったり、睡眠不足やストレス、経済的プレッシャーが大きいと、夫婦間のすれ違いや衝突が増える可能性があります。
子供中心の生活リズムになると、夫婦だけの時間が取りにくくなり、親としての心理的変化も相まって、スキンシップが減りやすくなる。
②経済的な負担がある
子供1人を大学卒業まで育てるのに、約2,000万〜3,000万円かかるとされています。
子供部屋や広い住居が必要になり、必然的に住宅ローンや家賃が高くなる傾向にあります。
また、物価高の中で、食費や衣類・医療費などもかさみます。
③時間と自由が奪われる
自分の時間が取れなくなり、友人との遊びや旅行の予定を立てたり、趣味に費やす時間が減ったり、夜に外出することが難しくなります。
毎日のお弁当作りや家事に追われるだけでなく、習い事があると送迎も大変になります。
④心身の負担
夜泣きや授乳で睡眠不足になり、体力的に余裕がなくなります。
反抗期や思春期には子供との衝突が起きやすく、それによって精神的なストレスを感じることもあるかもしれません。
人付き合いが苦手な方にとっては、人間関係が広がることで、ママ友や親戚、近所の人々との密な付き合いにストレスや悩みが生じることもあるかもしれません。
⑤キャリアへの影響
第一生命経済研究所の調査によると、子供誕生後にキャリアプランを変更・喪失した人は男女ともに約半数にのぼります。https://www.dlri.co.jp/report/ld/458974.html
産休・育休や時短勤務でキャリアのブランクが生じやすく、昇進や転職に不利になることもあります。
子供がいると、勤務時間の制約や土日勤務ができないことなどから、採用で不利になったり、選べる仕事の幅が狭くなってしまいます。
また、留学、転職、資格の勉強、趣味など「自分のやりたいこと」を後回しにせざるを得ません。
決断のためのヒント
・自分の本音を整理する
「本当に欲しいのか」を自分に問いかけてみましょう。(社会的圧力ではなく、自分の願望かどうか)
子供がいる生活といない生活を、1日の流れ・10年後・老後まで想像してみる。
または不安や期待を紙に書き出して、頭の中を可視化してみるのもいいかもしれません。
・パートナーと徹底的に話し合う
パートナーや信頼できる人に「決められない不安」を共有することで、心の負担が軽くなります。
また、パートナーとの価値観のすり合わせは不可欠です。
育児や家事の分担、キャリアとの両立について具体的にシミュレーションしてみましょう。
子供が授かりにくい場合や、先天的な病気や障害が見つかった場合にどうするのかや、周りのサポート体制についても共有しておきましょう。
・経済的なシミュレーションをする
日本では「子供を持たない理由」のトップが経済的負担であるという調査結果もあります。https://www.nippon.com/ja/japan-data/h02225/
現実的に育てられるかどうかを数字で確認してみましょう。
SNSの普及により周囲の経済状況が可視化されやすくなった現代において経済苦は、親にも子供にも予想以上に精神的ダメージを与えるものです。
・どちらを選んでも後悔しない準備
産んでも産まなくても、自分の選択を肯定できるようにしましょう。
「自由」「キャリア」「家族」「安定」など、自分が人生で最も大切にしたいものを順位づけしてみると、答えが見えてくるかもしれません。
まとめ

「どんな未来にワクワクできるか」を基準に考えると、より納得のいく答えに近づけると思います。
キャリアを築く人生、自分のやりたいことを追求する人生、子育てに専念する人生、どれも素晴らしいですね。
周囲からの圧力や焦りに押されて決めてしまうと、後で「自分の選択ではなかった」と感じるリスクもあります。
あなた自身は、子供がいる未来といない未来、どちらの方がより自分らしく生きられると感じますか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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